日本では西洋医学に基づく医療が主流です。ですが看護学校によっては、東洋医学の基礎を教えるところがあるようです。
癒しや自己治癒力に着目する東洋医学の考え方は、効果的な看護を行う上でも役立つので、看護師は東洋医学の基礎知識を持っているとよいでしょう。

まずは、西洋医学と東洋医学の違いを理解する必要があります。
西洋医学は古代ギリシャや古代ローマの思想を元にしたもので、病気を悪として取り除くことに注力します。一方東洋医学は中国が発祥で、同じ病気に対して同じ治療を行うのではなく、患者が訴える症状に着目し、年齢や体形、栄養状態や体温などを総合的に考えて治療を行います。

東洋医学で独特なのが、未病という考え方です。未病は、診察しても明確な病名がつかないものの、自覚症状を感じる体調不良を指します。
西洋医学の場合は、採血やレントゲンなどによる検査により病名を特定できなければ、効果的な治療を行いづらいという難点があります。しかし、東洋医学では病名がつかない体調不良に対し、その人の体質や生活習慣を考慮した治療を行うことが可能です。

治療方法は、西洋医学では投薬治療や手術による切除がメインになります。
一方東洋医学では、鍼灸に加え、あんまなどの手技、漢方薬が使用されます。鍼灸や手技治療では、体にある2,000以上あるといわれるツボを刺激し、体のバランスを整えることを目指します。
漢方薬は、自然由来の生薬が原料です。効き目は穏やかであるものの、その分副作用が少ないことが利点です。

東洋医学は非常に奥が深い世界なので、もっと理解を深めたい人は、『存在感を増す東洋医学の力~「人」を診る漢方とは~』などのサイトで知識を得るとよいかもしれません。